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鳥取大学は、乾燥地科学の研究で世界的に有名ですが、その発端は1923年の砂丘地緑化の研究に始まります。荒漠とした砂丘の中に竹で作った垣根を設置して飛砂を止め、植林をして緑化しました。砂丘地に適した作物を選定し、様々な灌漑方法の試験を行いました。その結果、砂丘は大部分が農地や住宅地になり、観光地として一部が残されているのみです。自然を相手にしたこの壮大な研究は、鳥取高等農業学校(鳥取大学農学部の前身校)、農学部附属砂丘利用研究施設に属する幾人もの研究者によって成されたものです。その研究は、さらに世界の乾燥地に展開し、今では乾燥地研究センターが中心となり進める乾燥地科学研究が、鳥取大学全体で取り組む重点課題になっています。
ところで、昨今、人類活動に起因する気候変動が顕在化し、世界中で熱波、洪水、干ばつなどの現象が発生しています。そして、自然と人の生活が最も脆弱である乾燥地での被害が特に大きく、情勢不安の原因にもなっています。鳥取の砂丘地で始まった地域課題解決の研究は、世界の持続的発展のための地球規模課題解決につながっています。この100年の歴史を振り返って、今後、私たちがなすべき行動を考えるために、本記念事業を開くことに致しました。