砂丘研究から乾燥地研究へ写真で辿る100年Digital archive
小アラル海流域における二次的塩類集積を防止するための広域水管理研究[カザフスタン]
一連の研究は矢野友久博士と北村義信博士が中心になり、中央アジアの小アラル・シルダリア川流域における水問題の解明と解決策の提案を試みました。
最初の研究期間(1996-1998)では、カザフスタン共和国クジルオルダ州の水稲作を中心とする八圃式輪作体系がとられている灌漑ブロックを対象に、二次的塩類集積の発生原因とプロセスを解明し、それを防止するための水管理改善対策を提案しました。この研究では、環境庁(当時)地球環境研究総合推進費の補助を受けて実施しました。
次の研究期間(2003-2008)では、流域内の上下流間の利水競合と調整の問題、小アラルの保全とデルタ地域の環境・生態系保全の問題についてカザフスタン共和国、ウズベキスタン共和国を中心に現地調査を行い、分析・解明し、水政策シナリオの提案を試みました。この研究は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(CREST)の研究プロジェクト「人口急増地域の持続的な流域水政策シナリオ ― モンスーン・アジア地域等における地球規模水循環変動への対応戦略 ―」(代表:砂田憲吾)の一環として実施しました。
水文気象庁のシャメノフ長官に研究成果の中間報告をする北村博士
南カザフスタン州(現テュルキスタン州)の耕作放棄ワタ畑
シャメーノフ農場の耕作放棄農地(サルタバン灌漑区)
灌漑農地に隣接する原野の塩類集積(イエルタイ灌漑区に隣接する未利用地)
耕作放棄農地の地表面に形成された塩クラスト(サルタバン灌漑区)
山本定博博士による耕作放棄農地の土壌調査(メッチェット灌漑区)
スポット状に集積した塩による被害
圃場にスポット状に集積した塩(イエルタイ灌漑区)
灌漑期の開始に先駆けて行われる耕起・均平作業(イエルタイ灌漑区)
水稲栽培のための各耕区への灌漑開始(イエルタイ灌漑区)
耕作放棄農地でのリーチング予備実験(メチェット灌漑区)
強風により飛散する集積塩(サルタバン灌漑区)
南カザフスタン州(現テュルキスタン州)を流れるシルダリア川
シルダリア川の水質調査(ジャラガシの橋の直上流)
幹線水路での流量測定と水質調査(コミュニズム水路)
ウォーターロギング農地(手前)と塩類集積農地(後方)
シルダリア川下流域の綿花圃場での気象観測と土壌調査
塩害農地の土壌採取(クジルオルダ州)
シルダリア川に新設されたアイテク頭首工(Aitek Headworks)
建設中のアクラク頭首工(Aklak Headworks)(2008年完成)